○東員町議会議員政治倫理条例
平成22年2月26日
条例第1号
(目的)
第1条 この条例は、本町の議会(以下「議会」という。)の議員(以下「議員」という。)が町民の厳粛な信託を受けたものであることを認識し、町民全体の代表者として人格と倫理の向上に努め、いやしくもその権限又は地位による影響力を不正に行使して自己又は特定の者の利益を図ることのないよう必要な措置を定めることにより、議会に対する町民の信頼に応えるとともに、町民が議会及び町政に対する正しい認識と自覚を持ち、もつて公正で開かれ、かつ、清潔で民主的な町政の発展に寄与することを目的とする。
(議員及び町民の責務)
第2条 議員は、町民の信頼に値する倫理性を自覚し、町民に対し自ら進んでその高潔性を明らかにするよう努めなければならない。
2 町民は、主権者として自らも町政を担い、公共の利益の実現に向けて責任を有することを自覚し、議員に対しその権限又は地位による影響力を不正に行使させるような働きかけを行つてはならない。
(宣誓書の提出)
第3条 議員は、この条例を遵守する旨の宣誓を行うものとし、議員に就任した後、速やかに別に定める宣誓書を議長に提出しなければならない。
2 議長は、前項の宣誓書を提出しない議員があるときは、その氏名を広報誌等に掲載し、公表するものとする。
3 議長は、第1項の規定により提出された宣誓書を議員の任期中保管しなければならない。
(政治倫理基準)
第4条 議員は、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)、公職選挙法(昭和25年法律第100号)、政治資金規正法(昭和23年法律第194号)等の規定とともに、次に掲げる政治倫理基準(以下「政治倫理基準」という。)を遵守しなければならない。
(1) 町民全体の代表者として品位と名誉を損なうような一切の行為を慎み、その職務に関して不正の疑惑を持たれるおそれのある行為をしないこと。
(2) 町民全体の代表者として常に人格と倫理の向上に努め、その地位を利用していかなる金品も授受しないこと。
(3) 町(町が設立した公社、町が資本金等その他これらに準ずるものを出資し、又は拠出している公益法人及び株式会社並びに法第244条の2第3項に規定する指定管理者(以下「指定管理者」という。)を含む。第10条において同じ。)が行う許可及び認可並びに工事等の請負契約、業務委託契約、動産及び不動産の取引並びに物品納入契約又はこれらの契約の下請負若しくは再委託に関する契約(以下「請負契約等」という。)に関して特定の個人及び企業(業者、団体等を含む。以下同じ。)のために推薦し、又は紹介する等有利な取り計らいをしないこと。
(4) 町の職員の公正な職務執行を妨げ、その職権又は地位による影響力をもつて不正に働きかけないこと。
(5) 町の職員の採用、昇格、昇任又は人事異動に関し推薦又は紹介をしないこと。
(6) 政治活動に関して特定の個人及び企業から政治的又は道義的批判を受けるおそれのある寄附等を受けないものとし、その後援団体についても同様に措置すること。
(7) 東員町暴力団排除条例(平成23年東員町条例第1号)第2条第3号に規定する暴力団若しくは同条第4号に規定する暴力団員又はこれらと社会的に非難されるべき関係を有するものと利害関係をもたないこと。
2 議員は、政治倫理基準に違反する疑いがあるとの疑惑を持たれたときは、自ら誠実に疑惑の解明に当たるとともに、その責任を明らかにするよう努めなければならない。
(町民の審査請求)
第5条 法第18条に定める選挙権を有する町民(議員を除く。第13条第2項において同じ。)は、次に掲げる事由があるときは、これを証する資料を添えて、選挙人名簿に登録されている町民の50分の1以上の者の連署をもつて、その代表者(以下「審査請求代表者」という。)から議長に対して審査の請求をすることができる。
(1) 議員が政治倫理基準に違反する疑いがあるとき。
2 前項の規定による請求は、議員の任期中において疑われる行為に対して行うことができる。
(政治倫理審査委員会)
第6条 議長は、前条の規定による審査請求を受理したときは、必要な審査、報告その他の処理を行うため、議会に法第110条第1項に規定する特別委員会として東員町政治倫理審査委員会(以下「審査委員会」という。)を設置し、その審査を求めなければならない。
2 審査委員会は、6人の委員をもつて組織する。
3 審査委員会の委員は、公正かつ不偏の立場で審査するとともに、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また同様とする。
4 審査委員会は、審査のため必要があるときは、議会の議決を経て学識経験を有する者等に対し調査をさせることができる。
5 審査委員会は、審査の対象となつた議員(以下「審査対象議員」という。)又は審査委員会が必要があると認めた者(以下「関係人等」という。)に対し、審査対象議員の任期中における資料等の提出を求め、又は意見の聴取等の調査を行うことができる。
6 審査委員会は、審査委員会が設置された日から90日以内に審査の結果について報告書を作成し、議長に提出しなければならない。
7 前各項に定めるもののほか、審査委員会の運営に関しては、東員町議会委員会条例(昭和63年東員町条例第12号)の定めるところによる。
(資産等報告書の提出)
第7条 審査対象議員は、審査委員会が審査を行うために必要があると認めたときは、その任期中における審査に必要な年の1月1日現在の資産等報告書を速やかに審査委員会に提出しなければならない。
2 審査対象議員は、審査委員会が審査を行うために必要があると認めたときは、前項の資産等報告書と併せ、その任期中における審査に必要な年の1月1日現在の配偶者の資産等報告書を速やかに審査委員会に提出しなければならない。
3 前2項に定める資産等報告書には、審査委員会が必要があると認めた場合は、その証明書類を添付しなければならない。
4 前3項に定める資産等報告書の記載事項及び証明書類の添付については、議長が別に定める。
(審査委員会への協力義務)
第8条 審査対象議員又は関係人等は、審査委員会が必要があると認めるときは、審査に必要な資料を提出し、又は会議に出席して意見を述べるものとする。
(審査の結果に対する措置等)
第9条 議長は、第6条第6項の規定により審査の結果の報告書が提出されたときは、その結果を尊重し、政治倫理基準、請負契約等の辞退若しくは指定管理者の指定の辞退に関する遵守事項又は補助団体等の役員の就任に関する遵守事項に違反したと認められる審査対象議員に対して、町民全体の代表者としての品位と名誉を守り、町政に対する町民の信頼を回復するため、議会に諮り必要な措置を講ずるものとする。
2 議長は、前項の規定による議会の審議が終了したときは、速やかにその概要を公表するとともに、審査請求代表者及び審査対象議員に対し、その写しを送付するものとする。
(請負契約等の辞退)
第10条 議員が役員をし、若しくは実質的に経営に携わつている企業又はその配偶者が経営する企業は、法第92条の2の規定の趣旨を尊重し、町が行う請負契約等を辞退し、町民に疑惑の念を生じさせないよう努めなければならない。ただし、災害等で緊急を要するとき、又は請負契約等の締結を辞退することにより、町政の執行に支障がある場合は、この限りでない。
(1) 議員が資本金その他これに準ずるものの3分の1以上を出資している企業
(2) 議員が報酬(顧問料等その名目を問わない。)を収受している企業
(3) 議員がその経営方針又は主要な取引に関与している企業
(指定管理者の指定の辞退)
第11条 前条第1項に規定する企業又は議員の配偶者が役員をしている企業は、指定管理者となることを辞退し、町民に疑惑の念を生じさせないよう努めなければならない。
(補助団体等の役員の就任に関する遵守事項)
第12条 議員は、自己の地位に基づく影響力を行使することによって、町民に疑惑を持たれないようにするため、町が補助又は助成をしている団体等の役員に就任しないよう努めなければならない。この場合において、当該団体等の実質的な運営にも関わらないものとする。
(職務関連犯罪による有罪判決後の説明会)
第13条 刑法(明治40年法律第45号)第197条から第197条の4までの各条及び第198条に定める罪並びに公職にある者等のあつせん行為による利得等の処罰に関する法律(平成12年法律第130号)に定める罪その他職務に関連する犯罪(以下「職務関連犯罪」という。)により有罪の宣告を受け、なお引き続きその職にとどまろうとする議員は、町民に対する説明会の開催を議長に求め、それに出席し、かつ、釈明することができる。
2 町民は、当該議員が前項の規定により説明会の開催を求めないときは、法第18条に定める選挙権を有する選挙人名簿に登録されている町民40人以上の連署をもつて、その開催を議長に対して請求することができる。この場合において、開催の請求ができる期間は、判決の日から30日を経過した日以降20日以内とする。
3 前項に規定する説明会が開催される場合は、当該議員は、説明会に出席し、かつ釈明しなければならない。
4 町民は、説明会において当該議員の説明に関し質問をすることができる。
(職務関連犯罪による有罪確定後の措置)
第14条 議長は、次の各号のいずれかに該当するときは、公職選挙法第11条第1項の規定により失職する場合を除き、町民全体の代表者としての品位と名誉を守り、町政に対する町民の信頼を回復するため、議会に諮り辞職を勧告するものとする。
(1) 刑法第197条から第197条の4までの各条及び第198条に定める罪並びに公職にある者等のあつせん行為による利得等の処罰に関する法律に定める罪により有罪の宣告を受け、その刑が確定したとき。
(2) 前号のほか、職務関連犯罪により有罪の宣告を受け、その刑が確定したとき。
(委任)
第15条 この条例の施行に関し必要な事項は、議長が別に定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成22年9月1日から施行する。
3 第5条の規定は、施行日の前になされた行為については、適用しない。
附則(平成30年9月25日条例第18号)
この条例は、公布の日から施行する。