町長ふれあいトークの開催記録(平成29年7月13日開催分)

更新日:2024年03月29日

町長ふれあいトーク 平成29年7月13日開催分

  • とき 平成29年7月13日(木曜日)9時30分~10時30分
  • ところ ふれあいセンター
  • 参加者 東員町シニアクラブ連合会(33人)、町長、福祉部長、長寿福祉課長

町長トーク

ふれあいトークということであらかじめ4つテーマをいただいております。時間の関係で少し駆け足でいきますのでよろしくお願いします

 まずは、稼げるまちづくり、これからの東員町ということで、今年は皆様ご存知のとおり町制施行50周年ということで、50年前、昭和42年ですが私が高校に入学したときに町になりました。今まで員弁郡東員村と書いていたのを、東員町と書けたことが嬉しかった記憶があります。皆様も50年前思い起こしてみるといろいろあったかなと思います。

 この50年で本当にいろいろなことがありました。一番大きかったのは、笹尾・城山という団地ができ、人口が非常に増加したことだと思います。昭和42年東員町の当時の人口は約9,000人です。ですから3倍ぐらいに増えたということですね。ここ10年は、だいたい25,000人台で推移をしています。

 50年前を振り返るのは大変なので、10年前くらいを振り返ってみます。一番変わったのはどこかというと三和地区です(10年前の航空写真を表示)。こうだったのが平成28年はどうなっているかというとこうなりました(平成28年の航空写真を表示)。イオンができて道路ができ、大きく様変わりしました。もう一つ大きく変わったところがあります。どこかというとこのへん(長深地区周辺)なんです。10年前は耕作放棄地でジャングルでした。これが今ジャングルが消えて畑に戻っています。我々はこれを活用していこうと考えています。ここ(航空写真を指しながら)は今シグマファームとういんさんが農福連携をやっています。ここ(航空写真を指しながら)は今学習塾が体験農場をやっています。そしてここ(航空写真を指しながら)が行政主体で今新しい農業の実証実験をやっています。

 シグマファームとういんは、2年前に農福連携をやり始めて当時は4人の障がいの方からのスタートでした。今は15人の方がここで働いていただいています。それだけではなく、地域の高齢者の皆さんがこの中で有償で働いていただいています。学習塾の体験農場でも地域の方に関わっていただいています。新しい農業の実証実験ではぶどうとブルーベリーを植えています。ぶどうはハウスで育てていたのですが、今年1月の大雪でハウスがつぶれてしまいぶどうの木も2、3本折れてしまいました。残った木が今年収穫時期を迎えます。実験としては概ね成功したのではないかと思っています。ハウスも修理しながらここを拠点としていろいろ作っていきたいなと思っています。

 今年新産業創造プロジェクトというのを立ち上げました。何をするかという話の前に、少し東員町の現状のお話をします。東員町の税収が35億円くらいあります。そのうちの14億円くらいが皆さんの個人町民税です。16億円くらいが固定資産税です。あとは法人税とか諸々です。今度穴太に株式会社浜乙女さんがきます。税収をあげるためにもっと企業を誘致するべきだと言う方がいます。そのとおりなんですが、東員町には企業にきていただくだけの土地がないんです。ですので、固定資産税を大きく上げていくのはなかなか難しいです。個人町民税も少しずつですが段々と減ってきています。何か大きく増やせるものがあるかというとなかなか難しい。ですから、一度原点に立ち返って東員町の産業は何かということを考えると、やっぱり農業なんですよね。農業をもっともっと振興させていって、なんとか農業で稼げる町にできないかと、それ以外に多分ないだろうと思っています。

では具体的に何をやるかというと、果樹をもっとやっていきたいというのと、東員町の農地が700ヘクタールくらいあるんですが、そのほとんどが今米を作っています。それを他のものに変えていかなければならないということで、今考えているのは大豆です。大豆を作ってそれを原料に新しい付加価値のあるものを作っていきたいと思っています。それでおからの出ない豆腐を作ろうと考えています。おからというのは豆腐を作ると今までだったら必ず出たんです。おからが出るとおからに栄養分が取られます。おからの大半は産業廃棄物になります。せっかくできたものがお金を出してたくさん捨てられています。今我々が取り組んでいるものは、おからが出ません。つまりゴミが出ません。栄養分は豆腐の中にきゅっと詰まっています。もう一ついいのは、この豆腐は高く売れるんです。今豆腐一丁50円、高くても100円以内でしょう。この豆腐なら一丁300円で売れると思います。本当においしいんです。こういうことを東員町内でできないかということで、今四日市の企業といろいろと話し合っています。町内で大豆を作り、豆腐や豆乳、スイーツなどいろいろな加工品ができないかと思っています。新産業創造プロジェクトの目指すものは、新しい農業を核として、高齢者、女性、障がい者の皆様の就労の場にならないかということ、それから東員町の特産品作り、儲かる農業、六次産業化です。稼げる農業になれば、若い就労者が増えてくるだろうと。実は今でも若い農業者の方がいらっしゃいますが、彼らと話すとなかなか儲からない、儲かる農業はないかということで、彼らとも連携して今話を進めています。こういったことを行い町外から人を呼び寄せて、町内にお金を落とす仕組みを作っていきたい、そのためには、人づくりをしていかなければならないと思っています。

具体的に数値目標をみていきたいと思います。東員町全体の農業生産額は3億7千万円しかないんです。そのうち米が9割なんです。米、麦、大豆で97%ぐらいです。今時米では儲かりません。今大豆は83トンしか生産量がありません。これを3倍ぐらいに増やしたいと思っています。これはそんなに難しいものではありません。先日、東海農政局長が来ました。そのときに、三重県の面積あたりの大豆の生産量は全国平均の半分以下だと言っていました。要するに片手間でしか大豆を作っていないんです。ですから本気になって取り組み全国平均まで上げるだけで倍になるんです。それに少し耕作面積を増やせばそんなに難しいことではないと思います。

次は野菜です。たったの200万円です。倍くらいはいきたいなと。シグマファームとういんだけでも倍くらいならいけると思っています。果物はいちごだけです。これを他にも作っていき4倍くらいの生産量を目指していきたいと思っています。

農業だけで、5年以内に1億円以上の増収を目指していきたいと思っています。就業者数は50人以上増を目指します。50人というとたいしたことないと多分思われると思います。今度東員町に来てもらう株式会社浜乙女さんの地元雇用が40人くらいです。それを考えると、50人というのがそんなに少ないというわけではないと思います。この中に高齢者の皆様のノウハウが必要なところがあるので、ぜひ高齢者の皆様に参画してもらい農業のノウハウを発揮してもらえればなと思います。

ここからは、少し視点を変えて話したいと思います。小学校の児童数の推移を表示します。

小学校6校の内、2校が増えています。横這いが1校、3校が減っています。増えているのは神田小学校と稲部小学校です。では横這いの1校はどこか。実は笹尾西小学校なんです。笹尾西小学校はどんどん減っているというイメージがあったのですが、ここ10年くらい横這いなんです。笹尾東小学校、城山小学校、三和小学校が減少しています。ですからここをなんとかしなければなりません。

 そのために東員町の課題としてあげていくのは、これまで話していた農業生産物の売り場の拠点であるとか、生活の拠点というのを考えていかなければなりません。これが一つ。それから東員第一中学校の移転というのが喫緊の課題です。それから笹尾、城山地域の人の循環。高齢化がぐんと進んでいますので、若い人を入れていくということを考えなければなりません。笹尾西は結構空き地があって、そこに人が入ってきています。笹尾西1丁目にあった保育園の跡地は13軒の住宅が建ちました。今年は子どもの数が10人くらい増えたんです。幸い笹尾、城山地区の空き家率というのは低いんです。全国の空き家率は13%くらいですが、東員町は3%くらいです。笹尾、城山地区では1%なんです。要するに、空き家になったらリフォームして売りに出せば、すぐに買い手がつくんです。循環が早くて空き家は少ないんです。ですから若い人が入る可能性は十分あると思っています。

 もう一つ三和地区です。高速道路ができて東員町の玄関口になったわけです。ここのポテンシャルを活用できるようなことをしなければいけないということで、今年都市計画のマスタープランを見直しています。三和地区というのは本来住宅が建たない地域なんですが、限定的なんですがミニ開発ができるような方向で進めています。先ほど話した新しい農業で高齢者や女性、障がい者などの就労の機会を増やしていきたいと思います。

 次に将来のための介護予防についてお話したいと思います。今まで町ではいろいろな取り組みをしてきました。しかし、現状参加率が低いです。さらに来て頂く方が固定化されています。介護予防は広い範囲を対象にしないと効果がないということで、継続するのは現状では難しいと判断しました。これからは住民の方が主体にならないと参加率が上がらないと考え、理学療法士などの専門家を地域に派遣して、体操や体力測定などの皆さんがする活動を支援させていただきたいと考えております。それから皆さんのいろいろな不安に答えていくために、「まちの保健室」というのを作り、気軽に相談ができる環境を作っていきたいと思っています。高齢者の皆さんが地域の中で役割を持って、皆さんが担い手となっていただくことまで皆さんにやっていただきたいと思っています。そのためには少なくとも自治会単位の大きさで活動をしていただきたい。普段から地域で活動しているほうが、いざという時に皆さんの連携がとれるのではないかと思っています。そういう意味で一自治会、一シニアクラブというのを推奨しているところです。これはシニアクラブ連合会の方向性とも一致していると思います。

 それから、地域福祉の考え方についてですが、基本的に社会福祉協議会と一緒になって考えていかないと、これからなかなか進んでいかないと思っております。今社会福祉協議会はそれぞれの地域で福祉座談会というのをやっていただいています。今13自治会で行っていただいています。この中から、地域の課題というのがいろいろ出てきて、具体的な事象になっているものをあります。例えば、中上では車がなく買い物に不自由している方もいらっしゃいます。その解決策として、自治会が社会福祉協議会から車を借りて、自治会の中から運転手をボランティアで募り、その人が運転してイオンまで買い物に行くということをしていただいています。これがもう少し拡大して、病院に行くとか広がっていく可能性があります。こういう取り組みを社会福祉協議会と一緒になってやっていき、必要があれば各自治会の皆さんもこういったことを取り組んで頂ければと思っています。

 また、笹尾、城山あたりでは結構やっていただいています、地域の茶の間といったカフェを瀬古泉自治会で始められました。地域の高齢者の皆さんに集まってもらって、気軽にしゃべってもらったり、子ども達と交流するなどいろいろな取り組みが始まりました。これも地域の困りごとの中から出てきたもので、こんなことも広がっていけばと思っています。

 最後に災害があった時にどうするのかということですが、町内の避難所は9ヶ所あります。小学校の体育館6つ、中学校の体育館2つ、町の総合体育館1つ。自治会によっては集会所に集まることになっているところもあるとは思いますが、町の指定としては9つです。他に身体の自由があまりきかなくて、この避難所ではなかなか難しい高齢の方や障がいの方が避難する福祉避難所があります。福祉避難所は、町内にある民間事業所と連携をとっていまして、細かいことは今話し合っていますが、今9法人17施設を福祉避難所として指定させていただいております。いざというときの初動は、地域の皆さんに動いてもらわないと行政では最初は難しいです。シニアクラブで普段からよく交流している人達が助け合うことが重要になってくるかと思います。

 時間になりましたので、質疑応答に入りたいと思います。時間の関係で省いた分もありますので分かりにくかったところもあるかと思いますがご容赦ください。ご清聴ありがとうございました。

質疑

参加者

 講演ありがとうございました。私は用事があって時々役場にお邪魔しているんですが、非常に職員の方、個々によくやっていただいていると思うんです。広報とういんとかでいろいろなことを教えてもらっているんですが、よくやっていただいている割に住民がそれをあんまり理解していない、少し温度差があるんじゃないかと思っています。これについて何か考えていただければと思っています。それから、10年先にリニアが名古屋まできますと東員町は完全に東京の通勤圏になるんですよ。東員町は土地が安いですし、名古屋までの交通アクセスがもう少し良くなれば、若い人達が移住してくるチャンスは十分あると思うんです。例えば東員駅とかイオン東員の駐車場から名古屋行きの高速バスの路線を作れば、名古屋まで40、45分くらいでいけます。移住のメリットが十分でてくると思いますので検討して頂ければと思います。それから、東員町には宿泊施設がないんです。4月に農水省の外郭団体の方に大社祭に来て頂いたんですが、泊まる場所がないということで桑名のビジネスホテルに泊まっていただき、北勢線で来てもらいました。ゲストを呼んだときに宿泊施設がないので、宿泊施設ができたら有り難いと思っています。あとこれはよその受け売りなんですけど、石川県の能登半島の先端の輪島にスーパーの中に社会福祉協議会の出先みたいなものを作った、という報道がありました。こちらでいうと、イオン東員店の一角に社会福祉協議会の出先を作っていただいて、色んな相談ごととか年寄りの集いの場を作っていただくという感じです。不可能ではないと思います。実現するかどうかはわかりませんが、ご検討いただければと思います。よろしくお願いいたします。

町長

 広報も見ていただける人がいたり見ない人がいたり、ケーブルテレビもそうですが、なかなか周知徹底できていないのが現状です。一年に1回町政懇談会を各自治会で開催していまして、そちらにも参加していただければと思います。何かいいアイデアがあれば教えて頂ければと思います。

移住の件ですが、今は転入超過になっていまして、それも40歳より下の人が多く転入していただいています。しかしそれで満足するのではなく、今おっしゃられたとおりもう少しいろいろな取り組みができるかなと思っています。高速バスですが、新名神高速道路が亀山まで開通する平成30年ですが、三重交通株式会社さんがイオンからバスを出すという話もないこともないんです。おそらく、今三重交通の内部で採算が合うかどうか検討していると思いますが、どうなるかは詳しくは分かりません。また、東員駅からバスを出そうと思うと恐らく東員駅周辺をもう少し整備しないと難しいと思います。これは先ほど少し触れましたが、東員町の拠点整備をどうするかということだと思うんです。そこらへんも含めて考えていかなければならないと思っています。宿泊施設については確かにありません。ですからお金を落としてもらう機会が少なくなるんですね。これではダメだということで、ホテルを誘致というのもあるかと思いますが、これは空き家の活用でなんとかならないかと考えています。空き家をどう活用するかを今検討しています。一つが宿泊施設ですね。もう一つが、今町内の企業に伺って、社宅なりゲストハウスなり良い物件があったら使ってくれないかとお話をさせていただいています。空き家を上手く活用できれば少しは現状を打開できるのかなと思っています。まだまだ途中ですので、持ち主の方も含めて皆さんのご協力が必要ですのでどうかよろしくお願いします。仏壇があるからあかんわ、とよく言われるんですよ。いろいろあってなかなか難しいんです。どうか皆さんもご協力よろしくお願いします。

終了

(補足)記録は要約してあります。

この記事に関するお問い合わせ先

東員町 政策課 広報秘書係
電話番号:0594-86-2862
ファックス番号:0594-86-2850
お問い合わせフォーム